2024年6月25日から放送が開始したカンテレ制作のテレビドラマ『あの子の子ども』。
9月17日に放送された最終回、第12話を視聴したので流れと感想を書いていきたいと思います。
内容にはネタバレを含みますので話の詳細を知りたくない人は注意してください。
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『あの子の子ども』は別冊フレンドの大人気漫画が原作のドラマとなっています。
よかったらチェックしてみてください。
12話『高校生2人が選ぶ未来』あらすじ 公式
妊娠が学校で公となり、福(桜田ひより)と矢沢(茅島みずき)の友情にも変化が?決断のとき、予想外の現実を前に必死に闘った福と宝(細田佳央太)に待っているものとは?
福(桜田ひより)の妊娠がクラス中に知れ渡り、朝、学校の福の机の上には「避妊してね」と落書きされた避妊具が。衝動的に教室を飛び出した福は、鉢合わせた矢沢(茅島みずき)にも目をそらされ、メッセージをブロックされたことといい、大好きな親友に軽蔑されたのだと悲しさがこみ上げる。それを聞いた足立(菊池亜希子)は福に寄り添うように、ある話をする。一方、騒ぎの発端となったSNSの投稿が同じクラスの生徒によるものだと知った沖田(橋本淳)もまた、担任としてショックを隠し切れない。
そんななか、前回の話し合い以来、沈黙を貫いていた慶(野間口徹)が、再び両家を集め、今後の福と宝(細田佳央太)について、あることを提案する。
高校2年生のある日、妊娠が発覚したことで日常が大きく変わった福と宝。“なかったこと”にはできない現実を前に、必死に考え、悩み、動き、闘った2人に、家族や友人、学校はどんな答えを出すのか。そして、福と宝の未来に待っているものとは…?
カンテレ『あの子の子ども』公式
あの子の子ども|最終回12話の流れ(ネタバレあり)
福の写真に「妊娠中」というコメントつき画像が拡散されていることに教師らも気がついた。元画像は始業式でクラスで撮影したものだったことで、同じクラスの人間がしたことではないかと話し合う。
福は保健室で擁護教員の足立に事情を説明する。矢沢に軽蔑されたのだろう。山田先生が言っていた「誰かを地獄に…」という言葉、私はそれでも産みたくてと泣く。
足立は、自分でどうしてもやりたいことは、誰かを悲しませたとしてもやらないと、いつかその誰かを恨んでしまうかもしれないという。そして不妊治療していた苦しかった経験を伝え、人は簡単に地獄に引き摺り込まれることはない。意思と心があり、自分や誰かのために一生懸命に生きているのだ。矢沢さんは友達の妊娠を軽蔑するような人なのかと問う。
福は首を横に振って否定する。
福は宝にSNSで自分の妊娠が拡散されていることを電話で伝え、宝への影響を心配する。
宝は自分は大丈夫だと力強く答え、福の心配をする。
福は、自分も大丈夫だと答えた。ただ、安全が確保できるまで自宅学習になったという。悪阻に波があるから逆に良かったと気丈に振る舞う。
宝は、これからバイトの面接だけど一瞬だけでも顔が見たいと福の家に向かう。走れば面接にも間に合うと。
メッセージアプリを確認すると、福は矢沢にブロックされている。
台所で兄は「楽しみだな」という。姪っ子か甥っ子か、自分は海外に行くが毎月お金を送ると。
福は、いいよと断るが兄は、面白いことには参加したいのだと引かない。
そこに父から「宝くんと話がしたい」とスマホにメッセージが。
夜、福の家に招かれた宝にテーブルで向き合う父。父の隣には母、宝の隣には福が座る。兄はソファーで様子を伺う。
父はボイスレコーダーをテーブルに置き第一声、「君には認知をしてもらう」と。よって養育者の支払い義務が発生すると続ける。ただ、高校卒業まで自分が無利子無担保無期限で貸し付けることも可能。部活を続けるのも可能だと。
宝はその好意に素直に「ありがとうございます」と感謝し、自分の気持ちを話す。でも部活には戻らず、働くための時間を確保するため通信制へ転学する。これは自己犠牲ではなく自分のしたいことを優先した結果で、落ち着いたら働きながら通信制の大学で教員免許取得したいと思っていると。
父は、わかったと了承する。そして、可能ならこの家で同居して欲しいと要望を伝える。
福と宝が同時に「えっ?」と驚くと父は、自分はあと2年は日本に戻れないという。愚息は秋からフィリピンだと。
宝は、よろしくお願いしますと頭を下げる。そして、そうさせてもらえたらと二人で話していたのだと。
福と宝は目配せし、同時に頭を下げる。よろしくお願いしますと。
父は開始時期について話そうとするも、「暑い」と兄にエアコンをつけさせる。6月なのに暑い。早すぎる。孫ができるのだって嬉しいに決まってる。でも早すぎると、娘を嫁に出すときの理想があったことを話し…泣いてしまった。
宝は、やらせてくださいという。その理想を全部やってくださいという。
父は嗚咽混じりに逆なんだよという。順番が逆なんだと。
宝も苦しくなり涙が込み上げる。そして謝った。すいませんと。福も深く頭を下げる。
宝が帰るのを見送るときに福は、自分も通信に転学するという。宝が息切れしたら引っ張れるようにと。
担任が転学の書類を持って福の自宅に訪問した。担任は、GTOになりたかったと笑う。でもなれなかった。川上の卒業を阻む全ての壁を破りたかったのだと。そして頭を下げる。ごめん、なにもできなくてと。
矢沢が集めていた「ひよこラムネ」が発売中止になった。福は以前ひよこラムネで当たりが出たら婦人科に行くと自分の中で賭けをしようとし、5つのひよこラムネを購入し、最後の一つを開封しないまましまっておいたのを思い出し、それを取り出し開封した。
合唱祭を辞退した矢沢は一人教室にいる。そこに飯田が入ってきた。
飯田は、ひよこラムネの当たりカードを矢沢に渡していう。福から預かった。なんでブロックしてんの?と。
矢沢は、1年の時に年上と付き合ってて「パパ活女」とかまわりに言われてたこと知ってるからという。
福の画像が拡散されたSNS投稿に「矢沢が吹き込んだか?」というコメントがあったのを気にしていたのだ。
飯田は、それでブロック…と納得した。そして、では自分をブロックしてるのはなんでかと問う。
矢沢は、好きとかいっぱいくれるけど付き合えない。Hできないから。前の人ともそれで別れて。母親と彼氏の見ちゃって…
飯田は、もういいよと優しく遮る。そして矢沢の隣に座り、矢沢を気遣い許可をとって背中をさする。
矢沢は続ける。その時の母親の声が耳から離れないから、耳を塞いで歌っていた。そうしたら逆に歌ったら思い出すようになってしまい歌えなくなった。母親が仕事から帰ってくるまで家に帰りたくなくて、飯田はずっと一緒にいてくれて嬉しくて、だから言えなくて…。
飯田は、矢沢ぁぁと叫ぶ。俺の好きを舐めるなよ。ヤれないからって俺の好きを倒せると思うなよ。俺の好きはもっとキモいから。そんなことはどうでもいいのだ。全然好きだし、一生一緒にいたいのだと。
矢沢は、じゃあ…いてという。
飯田は喜び、そんな飯田を見て矢沢はキモいと言い笑う。
福は宝と産婦人科を訪れた。産婦人科の先生に「産みたいです」と伝える。相手も家族も賛成してくれたと。
そして、私は産めますか?と訊く。
先生は、産めますと力強く答える。若年によるリスクが多少あるかもしれないが…と途中で言葉を止める。そして、訊きたいことはそういうことではないのだろうと言葉を替える。私からもひとつ質問してもいいかと前置きし、なぜあの時にエコー写真を希望したのかと福に訊く。
福は、自問しながら「なんで…だろう」と考える。
先生は、答えが見つかったら教えてください。これから長い付き合いになるだろうからと言う。
そして検診を行った。
学校は終業式。教室では、福の担任がクラスの皆に言う。川上さんは転校することになったと。そして厳しい口調で続ける。
悪意で人を傷つけるというのは、自分の価値を傷つけるということなのだ。匿名で誰にもバレなくても、自分にはバレている。自分は見ている。自分で自分の価値を傷つける度に自分のことをちょっとずつ嫌いになる。誰に嫌われても自分にだけは嫌われるなよ。誰かに好きになってもらえても、信じられなくなる。こんな自分を好きなんて嘘だと。
福は皆が終業式に参加している間に荷物を取りに教室に入る。福の机には、ひよこラムネの当たりカードを集めるともらえる「ダンシングひよちゃん」のぬいぐるみが箱に入ったまま置いてあった。箱には付箋が貼ってある。
「こいつの舞でどうでも良くならない悩みがあったら連絡して」と。
福は急いでスマホを取り出し確認する。メッセージアプリで矢沢からのブロックが解除されていた。
荷物を持ち帰ろうとすると、校門には担任と学年主任の山田と擁護教員の足立が待っていた。
担任は、とにかく身体を大事にと言う。
山田は、お前はいつかこの選択を必ず後悔する。しかしそれでいい。微塵も後悔しない選択などない。ただ、それを家族にはぶつけるな。吐き出せる相手を外に作れ。みつからなかったら俺が聞く。酒…はダメか。ドーナッツでも食べながらと笑う。
宝はグラウンドで隼人と勝負をすることに。隼人は、付き合わせてごめんという。一回お前に勝たないとこの先一人で走れないからと。
そして2人は走り出す。
福は帰り道、思い立って踵を返す。
福以外のクラス全員が揃った教室の扉を開け、一瞬の間を置いて静寂した教室で言葉を発する。
「避妊はしてました。私は産むって決めたけど、それが正解でも綺麗なことでもない。でも、これが自分にとっての正解だったと思えるように頑張るから。時々、あの子の子ども元気かなって思ってもらえたら凄く嬉しいです」
福は言い終えると深く頭を下げ教室を後にした。
福が校舎を出て校門に向かっていると、自分を呼ぶ声に立ち止まる。振り返ると、矢沢と飯田が追いかけてきた。
矢沢は、泣いて震える声で合唱コンクールの歌を歌い出す。途中、涙で歌えなくなると飯田が続きを歌い出す。
そして、他のクラスメートが1人また1人と駆けつけて歌声が広がる。
宝はゴールに赤ちゃんを抱いた福を想像してラストスパートし、隼人に勝利する。
宝は隼人に言う。なんで一人?俺も走ってるから。隼人の前を。
福はあの頃を振り返る。
宝なら大丈夫。宝なら安心。でもそれじゃダメだと思いました。私も宝も、この子の大丈夫に、安心になれるよう、答え合わせができる日まで、精一杯私は私をなんとか続けて行こうと思います。
貴重な話、ありがとうと元担任は言う。しっかりまとめて必ず風穴を開けるから。文科省の通達を机上の空論にしないためにもと。
終了
あの子の子ども|最終回12話:感想(ネタバレあり)
やば、こんなに泣けるクライマックスになるとは想像もしてませんでした。最終回に感動を全部詰め込んできましたね。めっちゃ泣いてしまった。
不穏な振り返りインタビューの映像が本当に怖かったのですごく安心しました。マジで誰か死ぬんか?とか思ってましたから。
「妊娠した生徒への対応等について」文科省の通達がありながらも現実が追いつかず、福が転学することに追い込まれた現状を変えるために担任が頑張っていたんですね。胸が熱くなります。
どのシーンもマジでヤバくて…語彙力死にました。全部感動しました。
最終回の良かったシーンを早足で振り返っていきますね。
まず擁護教員の足立先生が、誰かを悲しませても譲れないことはするべきだって話。そして自らの不妊治療のエピソードとか、そして矢沢が友達の妊娠を軽蔑するような人間なのかって聞くところ。福にめっちゃ寄り添ってくれて、矢沢のこともフォローしてくれて、すごく心強かったし安心しましたよね。保健室にこんな先生がいたら通っちゃいます。
兄について
「姪っ子か甥っ子か楽しみ」「金銭的に協力したい」「楽しいこと」って、おおらかで優しさが溢れてて、超いい。マジで癒しの存在でした。最終回に限らずずっとオアシス的な存在でしたね。大好きです。
父について
以前家族間で話し合ったときは突拍子もないこと言ってましたが、なかなか現実を受け入れられなかったんですね。ようやく冷静に話をすることができたと思ったら、自分が思い描いていた娘の将来とは違う現状に涙するわけです。一度は反対するも数日後には娘を頼むって言って…とか、色々想像してて、それでも娘の結婚や孫ができるのは嬉しいはずだし喜べることのはずだったのに、あまりにも早すぎて順番も違って、本当に心の整理がつかなかったんだろうなって、見ていてこっちまで苦しくなりました。宝も思わず涙してしまって。こういう側面も必ずあって目を逸らすことができないのが若年での妊娠なんだなって、改めて切なくなりました。
矢沢について
矢沢が歌を歌えない理由が明かされて、それが結構エグくて、飯田のことを好きだけど飯田の想いに答えられないから突き放して…。もうこの時点でめっちゃ胸が苦しくなるんです。で、福をブロックした理由も、自分といると余計に福が悪く言われてしまうという配慮と優しさで…。確かにそれは優しいけど、他の誰に嫌われて誹謗中傷されたとしても、福は矢沢には側にいてほしかったのではないかと思ってしまうんです。全然矢沢を責める気にはなりませんけど、優しさで突き放すよりも、側で守ろうとしても良かったのになって、少しだけ思っちゃいました。で、でですよ。あんな理由で歌を歌えなかった矢沢が福のために歌うんです。福を思う気持ちとリンクした歌詞の合唱コンクールの歌を。ここマジで涙腺崩壊しましたから。矢沢が泣いて歌えなくなったら飯田が続けて、そしてクライメートが次々に歌声を重ねていく。これ泣かなかった人います?てくらい泣けました。
産婦人科の先生について
この先生もまたいいですよね。最初に妊娠がわかったときも、医者として少し冷徹な言い方をするんですが、その後に必ず人として福に寄り添った言葉をかけてくれました。ある意味この先生の言葉も福が出産することを後押しした要因ではありますが。「医者として」「一人の女性として」をちゃんと使い分けてて、本当に福に寄り添ってくれましたよね。エコー写真を希望した理由を福に訊いてましたが、先生の中では答えはわかっているんでしょうね。人の気持ちを本当によくわかってくれている方なんだと思います。かけてくれる言葉が尋常じゃなく刺さります。
担任の先生について
他の先生の名前はわかっているんですけど、この担任の名前だけは覚えていなくて…申し訳ないです。しかしながらこの担任、めっちゃいい先生ですよね。福の妊娠騒動があるまではおちゃらけた調子のいい先生だと思っていたんですが、福が妊娠を伝えた時から完全に福の味方をしてくれて、教師とはどうあるべきなのかというところを見せてくれました。福の妊娠画像騒動があった後、終業式でクラスの生徒に言った言葉が私的に刺さりすぎて、ここでも泣いてしまったんですよ。悪意で人を傷つけると、自分の価値も傷つけ、自分に対する嫌悪感が増していき、最終的に誰かに愛されてもその愛を信じられなくなると。これさ、結構私自身に当てはまるんですよ。悪意で人を傷つけたってのは違うんですけど、私の場合は「こうあるべき」という自分自身への理想がまずあって、それを自分で裏切り続けて自分を嫌いになってしまったんです。そして誰からの好意(恋愛的な意味でなくて)も受け入れることができなくなってしまって。もう既に自分を嫌いになってしまった人はどうすればいいのか、この担任に相談したいです。私のことはさておき、文科省の通達を机上の空論にしないために実際の当事者に話を聞いていたんですね。あの不穏なインタビュー形式の過去を振り返る映像はこのためだったんですね。私はこの担任のことを人として尊敬します。
大体こんな感じでしょうか。
あと、「あの子の子ども」ってタイトルも回収されましたね。そういうことかと納得しました。
それにしても良かった。これは大団円といってもいいのではないでしょうか。
最終回でこれだけ綺麗に全てがまとまるとは、本当に思っていなかったんです。
ありがとう。
このドラマ、マジで色んな意味で見た方がいいです。私のように年齢を重ねた人ももちろん。若い中高生にも絶対に見てほしいドラマです。
以上
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まとめ
『あの子の子ども』最終回の12話が終了。これで物語は終わってしまいましたね。
本当に、話の流れ的にどんな最後になるのかと思ったんですが、感動の最終回でした。
結局のところ、子どもを産むのか産まないのかってところは本質ではなくて、高校生が妊娠し、産むと決めるとこんなことになるという、ひとつのケーススタディなんだなと。
そこには当然、両親のこと、学校のこと、友達のこと、世間の目、諦めなければならないことの重さ、失うものの多さ、どちらを選んでも必ず抱える不安や恐怖など、さまざまな問題から絶対に目を背けることはできなんだということ。
それを教えてくれつつ、その中で物語としてあらゆる局面を見せてくれて、そしてそれぞれの立場で見え隠れする優しさや愛情が深い感動を届けてくれる。本当にいい最終回でした。
このドラマ、最後まで見てきて本当に良かったです。