2024年7月1日から放送がスタートしたフジテレビ系テレビドラマ『海のはじまり』。
いわゆるフジ月9の夏ドラマ『海のはじまり』3話を視聴したので感想を書いて行きたいと思います。
内容にはネタバレを含みますので話の詳細を知りたくない人は注意してください。
4話あらすじ(公式)
月岡夏(目黒蓮)は、母である南雲水季(古川琴音)が亡くなった後も元気に振る舞う海(泉谷星奈)を心配し、「元気なふりをしなくていいよ」と悲しみの感情を吐き出させる。感情があふれ出し、夏にしがみついて泣き続ける海と、そんな海を初めて抱きしめながら、静かに涙を流す夏。百瀬弥生(有村架純)は、ただそんな二人を見守ることしかできなかった。
https://www.fujitv.co.jp/uminohajimari/story/story04.html
海岸へ遊びに来た夏と海。そこで海は、夏に「パパやらなくていいよ」と告げる。「でも、いなくならないで」と。海の本音を聞いた夏は「水季の代わりにはなれないけど、一緒にはいれる」と答える。二人の様子を遠くから眺めていた朱音(大竹しのぶ)と翔平(利重剛)は、亡き娘に思いを馳せ、「水季が生きていてくれたらな…」と涙ぐむ。
その後、夏は弥生のマンションへ。そこで夏は、海となるべく一緒にいることに決めたと告げる。それに対し、弥生は、海の父親になることにしたのかと夏に迫る。結論を出させようとする弥生に夏はいら立ちを感じてしまう。なぜ彼女が焦っているのか、分からずにいる夏に対して、弥生は自分の過去の出来事を話そうとするが…。
『海のはじまり』4話の感想(ネタバレあり)
涙腺がガバってて自分に引いてます。
ちょっと取り止めなく書いちゃいますけどすいません。
弥生の話
弥生って強いですよね。そうせざるを得なくて、強がってるのはわかります。でも強がれるほどちゃんと強いというか。
自分が感じたことや思ったことでも、分別があってしっかり自分の間違いを認識して否定することもできる。
結論から話せるし、潔くてかしこくて。感情が乱れてもなかなか人前には出さない。
声がでかい人が得をするような世の中で、損をしても美徳のある生き方をしていて尊敬できます。
そんな弥生を見てるからこそしんどい内容でした。
昔の交際相手に有無を言わせず中絶を前提に話をすすめられたシーンとか、何が「いい選択だと思う」だよ、ふざけんなよって。本当に酷いです。
話し合いくらいしてよって怒りと悲しみがわいてきました。
母親にも中絶をすすめられて「私無理だから」って、そんな突き放すようなこと言います?母親が。
嘘でしょって口に出ちゃいました。高校生とかだったらわからないでもないですが、お大人の娘に向かってそんなこと言う親なんて、ちょっと引いちゃいます。
一方水季の母は自らの経験から妊娠することの尊さを説きます。
この対比、コントラストがあまりにも強烈で切なくなっちゃいました。
浴槽の掃除をしてるときに体勢を崩しておもわずお腹おさえて「もういないんだった」って自嘲するように笑って、涙が溢れて。
こんなのもらい泣きするじゃないですか。
悲しかったよね。辛かったねって。赤ちゃんにごめんねっていくら思っても足りないよねって。
そして夏に向かって、相談じゃなくて報告と前置きして「殺したことある」って。
「産んでたら今海ちゃんくらいの子。罪悪感があって、いい親になって必要とされたら楽になれるって、無理やり思い込もうとしてた。自分のために親になりたかっただけ」
ここまで包み隠さず自分のこと言えるのすごいですよね。胸に刺さります。
そして「ごめん」。
このごめんは子供に向けられたごめんなんですよね。
そして「ずっと辛かった。これを言う前に海に関わるべきじゃなかった」って、誠実で正直で真っ直ぐで、弥生のような人が幸せになれない社会なら、そんな社会は間違ってると叫んでしまいそうです。
「許しがほしいからじゃない。自分が許せない 海にも水季にも申し訳ない」
こんなこと中々思えないですし言えませんよ。
最後には「殺したって言葉最初に使ったの月岡くんだよ」って少しだけ恨み言を言いますが「それ言うのもずるいよね」と自省します。
それくらい言ったっていいんだよって、それでも彼女は反省するんです。人間として完成されすぎて逆に生きづらいだろうなって察してしまいます。
人として悪いとおろが一つもないんです。ことごとく善良なんです、弥生って。
励ましたいです。応援したいです。寄り添いたいです。
ほんのしばらくの間だけ夏と距離をとって2人の前に現れて、夏に冗談めかして少しだけ毒づきながらも「一緒に迷えるのは助かる。寂しくない」と。
弥生という人間性に敬意を感じます。本当に素晴らしい人間性だなと。
海と弥生の電話が泣ける
弥生が夏と一緒に遊びに来てくれなくて海は夏に 「なんか傷つけること言ったんじゃない?」と急に大人びたことを言います。
そして、横になって拗ねたのかと思ったら「電話してみれば?」ときました。海はちゃんと女なんですね。
微笑ましかったです。
そして夜に海は弥生に電話しました。
海「夏くんが悪いこと言ったの?」
弥生「私が悪口言っちゃったから」
海「夏くん好き」
弥生「うん、好きだよ」
海「ママじゃないからダメなの?海のママじゃないから夏くんと一緒にいれないの?海のせい?」
弥生「海ちゃんは何も悪くない」
海「誰も悪くないのに、みんな好きなのに一緒にいちゃダメなの?」
ヤバくないですか?この会話。泣いたんですけど。海は幼いながらに2人になにかあったのではと感じとるものがあって、それが自分のせいなのかもしれないと心配になって。
それでも2人の間を取り持とうとしながらも、素直な疑問を投げかける。
健気だし純粋だし、子供なのに思いやりがあって、それを真っ直ぐに受け止めて正直に答える弥生がいて。
尊すぎました。
南雲パパが優しくて良すぎる
妊娠したことで水季と母が対立しちゃって。
パパさんが水季の部屋に来て、パパに自分は親不孝だって言ったとき
「親不孝かどうか決めるのは親だよ。勝手に決めないでください」って。
この優しいおおらかなパパ感が半端じゃなくて。良すぎません?
水季が「こんなにお母さんを大事にしないのにお母さんになれるわけない」って言ったときも
「いるんでしょ?じゃあもうお母さんだよ。そんな簡単になったりやめたりできるもんじゃないよ」
そして「正直言うとね、孫楽しみ。すっごい楽しみ」って笑う南雲パパ。
マジで救われます。余計なこともうるさいことも責めるようなことも何も言わない。
優しさだけを与えてくれてニコニコしてて、こんな良き父親って存在するんですか?
癒されます。
現実的な母と、おおらかで優しいパパ。水季はバランスのとれた両親のもとに生まれて幸せだったでしょうね。
大竹しのぶさんの演技がすごい
南雲朱音、水季の母の役ですが、演技すごすぎません?
こんなこと言いながら何も説明できないんです。凄すぎて。
「どこにでもいる母親が自然とそこにいる」という凄さではなくて、誰の母でもなく『水季の母』として存在しているんです。
言いたいことわかりますかね。
物語の中に水季という人物がいて、その母親が実在して、そこにいるんです。
大竹しのぶではなくて、他の誰でもなく水季の母なんです。
当然なんですけど、そんな演技できます?普通。
その人になりきるっていうか、水季の母なんですよ。
そう言う以外に言葉が見つからなくて。演技って言っていいのかすらわからないんですけど、憑依型の女優とかそういうのじゃなくて…。
あの人は水季の母なんですよ。ただそれだけです。すごいです。
まとめ
今回はというか今回もと言うべきか、かなり心を揺さぶられてしまって、いつもは放送話の流れを書くんですけど、端折りました。
内容について感想だけしか書く気力が持てませんでした。気持ちの整理がなかなかつかなくて。
なんか世間では重たすぎとかって離脱してしまう人もいるようですね。
確かに内容は重いですけど、重要なのはそこなんでしょうか。重いのが嫌なら内容空っぽの「新宿野戦病院」でもみて薄い笑いを楽しんでいればよろしい。
よくわかんないんですよね。「重いから無理」みたいな。自分が体験するのは嫌でしょうけどドラマですよ?
感情が揺れたり刺さるものがあったり、創作物でそうやって感動できたらラッキーじゃないですか。
一緒になって考えたり登場人物を慮ったり。そういう体験ができる良さがドラマや映画じゃないですか。
逆にどんなドラマだったら「無理」ってなって、ドラマに何を求めているのか知りたいです。純粋に。
楽しみ方は人それぞれですからね。違う楽しみ方も私は体験したいなと思います。