2024年7月1日から放送がスタートしたフジテレビ系テレビドラマ『海のはじまり』。
いわゆるフジ月9の夏ドラマ『海のはじまり』1話を視聴したので感想を書いて行きたいと思います。
内容にはネタバレを含みますので話の詳細を知りたくない人は注意してください。
1話あらすじ(公式)
東京の印刷会社に勤務する月岡夏(目黒蓮)には、化粧品メーカーで働く百瀬弥生(有村架純)という恋人がいる。2人は平凡だが、幸せな日々を送っていた。ある日、夏のアパートで夏休みの予定を合わそうと話していると夏のスマートフォンに着信が。応対した夏の表情がこわばる。
翌朝、夏は実家へ。突然の訪問に、朝食中の父、和哉、母のゆき子、弟の大和(木戸大聖)は何事かと思うも、多くを語らない夏の雰囲気に事情を察する。自室で喪服を出していた夏に、和哉は黒いネクタイを差し出す。
葬儀場に来た夏は、“故 南雲 水季 儀 葬儀式場”と書かれた案内板の前で立ち止まる。大学時代の友人、真山純希が「何年ぶり?」と声をかけてきた。「8年ぶり」と答える夏。亡くなった水季(古川琴音)は、夏が大学時代に交際していたかつての恋人だった。
夏は焼香の列で、水季の母・朱音(大竹しのぶ)、父・翔平ら親族に挨拶をした際、一緒にいる女の子に目をとめる。その女の子が水季の子供だと知り、驚く夏。
夏が葬儀場のロビーにいると、先ほどの女の子が津野晴明(池松壮亮)と会場から出てきた。夏は女の子に話しかける。女の子は海(泉谷星奈)と名乗り、6歳だと夏に告げた。夏は、水季との記憶に思いを馳せ…。
https://www.fujitv.co.jp/uminohajimari/story/story01.html
『海のはじまり』1話の流れ(ネタバレあり)
南雲水李と娘の海は波打ち際を一緒に歩く。
海はどこからが海なのかと訊く。水李は「どこから」というのはない。ずっと海でその先に海岸がある。
先を歩き何度も振り返る海に行きたい方に行きなさい、みてるからと言う。
月岡夏と百瀬弥生は同じアパートに帰ってくる。
二人で夕食を囲んでいるとスマホが鳴り、夏は電話に出る。
真剣な表情で「なんで…死んだの」と。
実家に帰って喪服に着替え斎場に。南雲水李の葬儀。
親族に一礼し焼香をしようとすると棺の中を覗きこむ少女が目に入る。
あの女の子は水李の娘、シングルマザーだった南雲は昔から一人で生きていけそうだったと言う友人。
生きれなかったから今葬式やってんだろと少し語気を強める夏。
斎場のロビーにあるソファに座ってスマホに保存された昔の画像を見る夏。
スマホの画面には過去の水李が笑っている。
大学時代の回想
大学山岳部の新歓飲み会で水李と出会った夏。
夏は友人の付き添い、水李は新歓で1年生はタダだから来たと。
人に合わせて行きたくもない飲み会に行けるのはスゴいと言う水李に、曖昧な自分の性格に悩んでいた夏は「よくないですよね」と身を縮める。
水李は純粋にスゴいと、自分より他人のことを考えられるのは良いことだと言う。
ハイかイイエで答えられるようなことはそんなにないと。
こう見えて自分はマイペースで人に合わせるのは苦手だと。
夏は水李がマイペースに見えるといい、水李は驚きながら「まんまだね」と。
二人は笑い合う。
その後だんだんと距離を縮め付き合うことになりデートを重ねる。
写真を見ながら思い出していた夏。
男性に連れられて先ほど棺を覗き込んでいた海は少し離れたソファに座らされる。
ここでしばらく待っていてくれと。
海はまたママに会えるかと男性に訊くと火葬の前にまた顔見れるからと言い去って行く。
夏は立ち上がって海に近寄って話しかける。水李の娘さん?何歳?さっきの人お父さん?
少女は「海」6歳でさっきの男性は父親ではなく「津野くん」らしい。
夏は友人の言葉を思い出し、ごめんお父さんいないんだよねと謝るが、いるよパパはいるって言ってたという海。
葬式に出席した知り合いが帰り際に海のことを「かわいそうだ」とひそひそと話す。
夏はかわいそうじゃないと、海にイヤホンを渡す。
そしてスマホで昔撮った水李の動画を海に見せる。
笑顔で動画を見つめる海。
水李と過ごした日の回想
ある日水李は書いて欲しいものがあると紙を取り出す。
『人口妊娠中絶に対する同意書』の文字を見た夏は動揺し動きが止まる。
水李は明るく振る舞いながらパートナー署名欄を指差しフルネームでと夏にペンを握らせる。
水李が病院に行ったことや一週間前に妊娠がわかったことを聞いてから夏は「ごめん」と。
水李はあやまらないでと、びっくりだよねと笑顔を崩さない。
「一週間不安だったよね…ごめん、気づかなくて。ひとりで…一週間も…不安な思いをさせてごめん」
言葉を詰まらせながら謝る夏を見て涙がこぼれる水季。
夏は他の選択肢はないのか、決めつけているなら一度考えて欲しいと水季に問う。
考えたよ。夏は産むことも堕すこともできないから私が決めていいでしょと水季は言う。
夏はしばらく水季を見つめ、わかったと署名した。ゆっくりと、戸惑いながら。そして涙が溢れた。
別の日、クリニックから出てきた水季に駆け寄る夏。
大学で水季の友人に話しかけられる。「水季どうしたの?」と、水季が大学を辞めたと。
寝耳に水だった。
夏は水季に電話をかける。どうしたの?体調悪いの?大学や辞めたの?なんで?と。
水季は学費が高いから就職するつもりだと言う。
そして突然「別れよう」と夏より好きな人ができたから別れてくれと。
「ありがとう」とイヤホンを返す海はママと友達なのかと夏に訊く。
そこに津野が戻ってきて海に「おばあちゃんのところに戻っていいよ」と伝え、海は走って行く。
海のスケッチブックなどを片付けている津野に夏は水季の大学の同級生の夏岡だと名乗る。
「夏岡」という言葉にハッとして手が止まる津野。
夏が色鉛筆を拾おうとすると津野は「触らないでください」と。
水季の会社の同僚だと名乗る津野に勤め先を訊く夏に「知らないんですか」と言う津野。
夏が、大学の時に会ったのが最後だと伝えると津野は、「この7年のこと本当に何も知らないんですね」と言い立ち去って行った。
津野が水季の母(朱音)に「月岡さんがいらしてました」と伝えると複雑な表情を浮かべた朱音。
朱音は海を連れて夏を追いかけ、バス停にいる夏に歩み寄り声をかける「月岡さん」。
水季の母ですという言葉に夏が「この度は…」と言いかけたのを遮って朱音は夏に連絡先を手渡す。気になるようなら連絡を、気にならなければ捨ててくれと。
「あの…なにが…」と困惑する夏。
朱音は、水季の人生は終わったが、この子の未来を考えなければならないと言う。
「なんで…僕に…」と言葉の意味がわからない夏。
朱音は海に斎場の控室に戻って待ってるよう言い、海を離席させる。
そして朱音は1枚の紙を広げる。
そこには『人口妊娠中絶に対する同意書』と。
出したはずの中絶同意書だった。
一度は中絶しようとしてしまったことを忘れないよう水季が持ち歩いていたんだと。
海はもうすぐ7歳。気づかなかったのかと朱音は言う。
夏は呆然とし何も知らなくて申し訳なかったと詫びる。
朱音は、隠されたらわからないだろう、男は妊娠も出産もしないで父親になれるのだからと怒りを滲ませた。
海は津野に駆け寄り「月岡さんて誰?月岡さんて夏くん?夏くん?あの人が夏くん?」とはしゃぐ。
津野は頷きながら海に笑顔を向ける。
朱音は夏に、海の父親やりたいとか、そういうのないですよねと投げかける。
理解が追いつかずに困惑する夏を見て「ですよね。わかってます」と。
押し付けようとしているわけじゃない。大丈夫だと。
でもこの7年の水季を想像はしてくださいと涙を浮かべる。今日一日だけでもと。
ゆっくりと立ち去る朱音を見て、愕然としながら歩き出す夏。
「夏くーん」背中から水季の声が聞こえる。
振り返ると、海が手を振りながら呼びかける。「夏くーん」と。
大きく振る海の手を静止する津野に連れられ朱音と共に斎場に戻っていった。
それでも振り返って手を振る海を遠くから見つめ、やがて建物の中に消えて行く。
振り返そうとした夏の手は、中途半端に上がったまま胸の前を漂う。
重たい足を引きずりながら、なんとかアパートに帰ってきた。
アパートの前では弥生は心配していた。そして急に来てごめんと。
夏はありがとうと言い、玄関の鍵の開けながら一人だったらどうにかなりそうだったと小声で弱音を吐く。
家に入り落ち込んでいる夏を気遣う弥生。
夏は話し始めた。「大学の同級生で…病気で…知らなくて」と泣いた。
弥生はつらいねと夏に寄り添う。
次の日、弥生は休みだという夏を心配しながら出社していく。
家で過ごしているとインターホンが鳴りドアを開ける夏。
そこには海の姿があり、ひとりで来たし前にも水季とここに来たことがあると言う。
海がひとりで夏のアパートに来る練習を水季としていたと。
海は水季のスマホを取り出し、水季の動画を見せる。
その動画を見て夏は思わず涙がこぼれる。
海はこの前の動画を見せてくれと夏にねだり、夏は同じ動画を再生した。
その動画で海辺にいる水季は何度も『海大好きだよー』と叫んでいた。
夏の涙は止まらない。
動画を見終わった海は夏に言う「海もママ大好き」
夏は涙を拭いながら「終わり。もうこういう動画ないから」
海は訊く「ママ終わったの」と。夏は「死んじゃったんだ」と答える。
海に死んだらどうなるのかと訊かれた夏は「死んだ後どうなるかわからないけど、水季はお母さんじゃなくなる訳じゃないから。終わったんじゃない」と。
夏くんは海のパパでしょ?夏くんのパパはいつ始まるの?
1話終了
『海のはじまり』1話の感想(ネタバレあり)
1話ということもあり蛇足にならないよう丁寧に人間関係を視聴者に理解させつつ、どういった話なのかを伝えてくれた印象です。
この1話を見終わった時点で特にモヤモヤとした謎を抱えず、2話が気になる終わり方をしていたので凄く好感の持てる内容でした。
ネットの評判とか見ないので、皆さんがどう感じたのかわかりませんが、私としてはとても良かった1話で今後にも期待が持てそうだなという感じです。
また、強いてわからないことといえば、水季はナゼ夏に別れを告げて一人で海を産んだのかということですが、さほど大きな問題でもないですかね。
夏の負担になるのが嫌だったのか、病気で余命を自認していたからとか、私には普通の想像しかできないですけど。
とにかく一人で産んで育てることを決意したんですね。
余命に関しては、いつの時点で自認したのかわかりませんが、海が一人で夏のアパートに行けるように練習していたことから、水季は自分の命のリミットを理解していたことがわかります。
それと、夏のスマホの中の動画で水季が浜辺で「海大好きだよー」って何度も叫んでいたシーン。
あれって海を産むことを密かに決意してて、未来の海へのメッセージかなと思ったんですけど、どう思います?
ただ、人口妊娠中絶に対する同意書を書くエピソードは冬でしたよね。
動画の服装は夏ですし、エピソードの順番的にも違うっぽいですね。無駄な想像力を発揮していまいました。
それと、津野という男が何者なのかが少々気になりました。
水季の同僚と言っていましたが、水季の母とも親しくて、海の面倒も見ていました。
もしかしたら水季に恋心を抱いていて、世話を焼いていたとか、そんな感じでしょうか。
それにしても夏にとってはヘビーな展開ですね。
8年前の大学時代の恋人が亡くなりお葬式に行くと、そこには自分の子供が…。
突然いろんなことが起こりすぎて消化できない夏の気持ちはぐちゃぐちゃなんでしょうね。
どうすればいいかわからないでしょうし、そんなに簡単に決められるようなことでもないと思うんです。
でもこの先、海と交流していく上で責任の取り方を模索して行くことになるのではないでしょうか。
次回予告では弥生と海について話をするシーンがありましたが、難しいですよね。
突然小学生になる子供の父親になることも、突然恋人に子供がいましたっていう状況も衝撃が大きすぎます。
自分ならどうするだろうって想像しかできませんが、恋人だからこそ夏の誠実さを一番よく知っていて、子供の存在を知らされてなかった彼を責めるのは違うじゃないですか。
かといってスッと受け入れることもできそうもないですし、場合によっては彼と別れることだって選択肢に入ってくるでしょう。
たくさん葛藤すると思うんです。
そういったあらゆる苦悩と戦いながらも、海との触れ合いの中で変化していく心情なんかをこれからドラマで見せてくれると思うと今後の展開が非常に楽しみですね。
視聴率とかは知りませんが、いいスタートだったと思いました。
まとめ
目黒蓮さんって演技上手いですね。トリリオンゲームでしたっけ?以前目黒さんが出てたドラマは一瞬だけみたことありますが。
その時は全然演技とか見てなかったので、実質今回が目黒蓮さんの演技を見るのはほぼ初めてなのですが、いい演技されてると思いました。
セリフの抑揚とか自然な表情とかは当然上手いんですけど、今回驚いたのは、心の機微をちゃんと表現されていたんですよね。
細かい心情の変化が伝わってきて、没入できました。
演技の上手さって役の背景や心情的に複雑であればあるほど難しくて、逆にそういう役じゃないと本当に演技の上手さが伝わらないと思うんですよね。
夏は流されやすくて優しくて誠実で、ある意味ごく普通な青年でもあるんですが、そんな普通な青年が突然大きな十字架を背負わされたらどうなるかっていう心の揺れや瞬間的な感情を上手に表現されてました。
素晴らしい役者さんですね。
目黒蓮さんってジャニーズで合ってます?違ったらごめんなさいなんですが、ジャニーズっていい役者になる人多いですよね。
そういう土壌があるんでしょうか。
それでは今回はここまで。以上