2024年4月24日より放送が開始されたフジテレビ系列のテレビドラマ『ブルーモーメント』。
第9話の感想を書いていきたいと思います。
第9話 史上最強台風編！（前編）260万人緊急避難！
園部肇一（舘ひろし）が進めていた国家防災プロジェクトの工場でガス爆発事故が起こり、緊急記者会見が開かれた。安心安全なエネルギーと言われたガスの爆発により、園部は窮地に立たされる。さらに園部を追い詰め、彼のポストを狙う政治家の新島元樹（伊藤英明）の存在まで現れ…。
フジテレビ『ブルーモーメント』公式より
そんな中、260万⼈以上を超える避難者が想定される観測史上最強クラスの台⾵が東日本に近づいていることが、晴原柑九朗（山下智久）、雲田彩（出口夏希）の解析によって判明。一都四県の危機管理課と防災危機管理部の責任者を集め、SDM一同は大規模な避難計画を提案するが、東京都の責任者・倉田英子（映美くらら）は、予想が外れた場合の多額の損害、そして何よりも渦中の園部が関与するSDMが指揮を執ることを理由に、提案は保留にされてしまう。
まずは事故の疑惑を払拭するべく、園部は住民たちのクレームを受けながら、その地域に足を運んでいた。同じ想いの晴原、彩、山形広暉（岡部大）、丸山ひかる（仁村紗和）も現場へ来ていた。
晴原は爆発事故の原因に気象が絡んでいるとみて、台風の解析と併せて、本件の調査を進めることに。
その頃、園部優吾（水上恒司）と汐見早霧（夏帆）は、台風に備え、医師の調整協力依頼の為、前医療班統括責任者・志賀浩一郎（神保悟志）の元を訪れる。
SDMが総力を上げる中、観測史上最強クラスの台風が東日本に直撃するまで、あと５日に迫っていた…。
『ブルーモーメント』9話の流れ（ネタバレ）
園田が主導したプロジェクトの復興支援で作られたガス工場にて爆発事故が。
事故原因の隠蔽疑惑から裏金問題における怪文書が流れ、そのことで新島が園部を追い詰める。
静電気対策も施され安全を期していたガス工場で起こった静電気による爆発事故。
その事故原因の調査中に地元住人が国を提訴し調査はストップしていた。
そんな騒動の中、観測史上最大クラスの想像を絶する台風が発生し、進路予測では70％の確率で関東を直撃。
あらゆる被害が想定される中、SDMが1都4県の指示をとることに。
台風直撃6日前、関係各所が集まった対策本部にて。
超大規模な避難計画を台風直撃2日前から行うとSDMが提案するも、その内容があまりにも現実味に欠けると反論が多数出ることに。
またSDMの本部長が件の疑惑を向けられている園部であることで理解を得るのが難しいと。
各所の理解が得られない障壁の一つである園部の疑惑を晴らすため、SDMは動き出す。
ガス工場の爆発事故の原因の一部が静電気であるとされており、またガス漏れは発生していなかった事実から晴原は気象からのアプローチで原因を特定することに。
こうして気象班は台風の解析とガス工場の爆発事故の解析を同時進行で行い、沢渡は台風に備え警察まわりの調整を、汐見は医師会への働きかけを、とSDM総動員で台風に備えて全力で対応する。
また晴原は事故原因に関しある可能性を示唆した。
爆発があった少し前の気温と気圧から放射冷却が起こり、冷気流が工場外部からガスを運んできた可能性があると。
台風直撃まであと4日
未曾有の台風が迫る中、SDMが指揮をとることに一都四県の同意が得られない状況に園部は政策活動費の詳細を国民に開示することに。
新島が仕掛けた作戦は失敗に終わった。
一方SDMでは、事故の前にガスの匂いがしたという証言を得、本来無臭であるはずのガスの匂いがしたことにより、爆発を起こしたのは都市ガスである可能性に気づく。
そして気象条件をもとに、ガスが漏れていた建物を特定するも、爆発があった時期は工事で閉鎖中だったと。
防犯カメラ映像と建物の改装工事の日報、そして建物のガス使用履歴を入手し、工場爆発の原因と証拠が揃う。
現場作業員のミスでガス漏れが起こり、気象上に不運が重なって爆発事故に繋がったのである。
台風直撃まであと3日
住民は提訴を取り下げ、工場継続を園部に約束する。
これで園部に関する怪文書の全てがクリアになり、一都四県の防災・危機管理責任者らからSDMへの指揮系統掌握の同意を得た。
また、かつてSDM医療班統括責任者だった志賀が医師会との調整を承諾。汚名返上を誓う。
台風上陸まで約60時間。SDMは台風進路を被害予測のシナリオ精度を上げるためヘリで現地に向かう。
都市部では住民避難が開始された。
予定観測地点に到着し、観測を開始したSDM。
観測結果から遠隔豪雨の発生を予測。台風が到着する前に災害が発生する。
晴原はヘリの上で即時解析に入り、遠隔豪雨が発生する可能性が高いエリアと時間を割り出した。
避難のタイムラインを早めることに。
準備を重ね台風到着2日前に避難を開始したにも関わらず、自然災害は人智を超えてやってくる。
すぐに予測エリアは豪雨に見舞われる。
大雨による地下水位の上昇、老朽化した下水管に大量の土砂が流れ込んだことにより地下空洞ができ、大規模な道路陥没が発生。
近隣河川では氾濫危険水位を超過。
陥没現場では心肺停止3名を確認。
『ブルーモーメント』9話ネタバレ感想
対応する気象災害の大小はあれど、なかなかテンポ良く話がすすんできた印象です。
むしろテンポが良すぎてサクサク進みでは？と思ってしまいます。
そしてクライマックスに向かって超大規模災害と戦うことになりましたね。
これまでは災害に対応しながらも人間ドラマにフォーカスされてきましたが、災害のスケールが大きくなると、やはり物語としての展開に目が行きます。
またSDMをめぐる政治的な駆け引きなどは、正直あまり面白くなかったのですが、ここにきてスパイス程度にはなってくれたかなといった感じです。
前回突如現れた新島という敵役政治家は園部のポストにつくために暗躍するも即退場。
ほんと、引き立て役というか噛ませ犬というか。お疲れ様でした。
メインテーマとしては気象と災害、それを軸に人間関係で良いものを見せてもらっているんですが。
難しいですよね、自然災害って。
道路陥没の事故現場で心肺停止3名を確認したシーン。
怒りにも似たあのやるせない空気。
冷静に考えればこれだけの規模の台風が発生して誰一人犠牲にならないなんて無理じゃないですか。
3人くらい亡くなったって当然だし、これから犠牲者はもっともっと増えるに決まってる。
道路陥没って、あれだけデカい穴が開いたら巻き込まれて亡くなる人もいるだろうに。
流れ的にこれから河川だって氾濫するじゃないですか。
それでも死者なく避難を完了させて台風をやり過ごすなんて、できるわけないじゃないですか。
でもね、SDMの人たちは本気なんですよね。
災害による不条理な死があって、それによって悲しむ家族や恋人や友人がいる。
そんな悲しくて悔しくて苦しい思いを誰一人させたくないって、本気で思って行動してるんですよ。
彼らが本気だからこそ見ていて苦しい。
日本は全国各地で大規模な自然災害が頻繁に発生し、それによって多くの悲しい現実が起こってる事実があるわけで。
ブルーモーメントはフィクションなんだけど、娯楽作品として楽しんでもいいものなのかと、急に不安になりました。
これは警笛ではないのか、警鐘ではないのか、災害に備えよと…
よくわからない強迫観念じみた何かが感情の奥底に見え隠れするんです。
画面越しもしくは実際に数々の災害を目にしてきた我々の心の中にあるその何かが、今回9話の史上最強台風（前編）によって、今までのブルーモーメントの楽しみ方をガラッと変えてしまったように思う。
それが良い意味なのか悪い意味なのか…。
ずっとそうだったじゃないか。最初から災害の中で話は進んでいたじゃないかと、そうなんです。
今までもそうだったし、その上でエンターテインメントだったんですよね。
娯楽として楽しんでいたものが実はドキュメンタリーだったことに急に気づかされたような。
突如現実に引き戻されたような。
そんな気分です。
それでも山Pはカッコ良かったです。
まとめ
とても難しい超巨大台風への対応。今までのように上手くはいかない雰囲気です。
そりゃ最終的には乗り越えるんでしょうけど、どれくらいの犠牲者がでるんでしょうか。
現実に自然災害の被害に遭われた方や近しい人を失ってしまった方、そういった心に傷を抱えてらっしゃる方々がフラッシュバックしないことを祈ります。
9話、重いです。
