連勝記録更新中!藤波朱理選手は父と共に金メダルへ|女子レスリング53キロ級
霊長類最強と言われた吉田沙保里さんの連勝記録を塗り替えた、最強女子大生の藤波朱理選手。
中学2年から約7年負け知らずで、現在133連勝中なんです。
父と2人3脚で掴んだ五輪の切符。金メダルに向けて連勝記録も更新中なんです。
パリ五輪直前の7月25日に放送されたZIP!で彼女の強さの秘密を紹介してくれました。
前人未到の133連勝中!
霊長類最強と言われたあの吉田沙保里さんの連勝記録が119連勝(6年無敗)。
その連勝記録を塗り替えたのが、女子レスリング53キロ級の藤波朱理選手なんです。
なんと中学2年生だった2017年以来、負けることなく連勝を続けて現在133連勝!
その勢いでパリ五輪に辿り着きました。
もしもパリ五輪で優勝し、金メダルを獲得したら、連勝記録は137まで伸ばすことになるんです。
藤波朱理選手20強さのヒミツ
DayDay.ファミリーの登坂絵莉さんも金メダル最有力候補と太鼓判を押す藤波選手ですが、その強さの秘密はどんなところなのでしょうか。
藤波選手は、2024年パリ五輪で金メダルに最も近い選手と言われており、初めて世界の頂点に立ったのは17歳のときの世界選手権。
このときの世界選手権で戦った全5試合、いずれも10点以上の差をつけてテクニカル・フォール勝ちを収めているんです。戦った相手に1点も与えない完全優勝でした。
1回戦 BYE
2回戦 11-0
3回戦 10-0
準決勝 10-0
決勝 10-0
パリ五輪出場をかけた去年の世界選手権決勝でも相手に得点を与えず完全勝利。
藤波朱理 10-0 V・カラジンスカヤ
まさに向かうところ敵なし、現在20歳の最強女子大生なんです。
リオ五輪の金メダリスト登坂絵莉さんの解説
「私が現役だったら絶対に嫌ですね。もう決勝まで当たりたくないです」と前置きしながら藤波選手の強さの秘密を教えてくれました。
登坂「やっぱり、攻撃のバリエーションですね。遠い距離からもタックルに入れて、近い距離からも入れる。本当にいろんなシチュエーション、タイミングで得点することができるところ」
藤波選手の身長は53キロ級では長身の164cm。長い手足を使ったバリエーション豊富な攻撃を繰り出しますす。
登坂「相手の首に手をかけてポンって頭を落とすと、相手は反射的に頭を上げて戻ろうとするじゃないですか。その戻って来た頭が上がったタイミングで下にタックルを入れる」
この他にもフェイントのバリエーションは豊富。
そして、さらに多彩な攻撃を支えるのがステップのバリエーションだと言います。
登坂「横にステップを踏んだりしながら、相手の横にパッとうまくついて横からタックルに入ったりとか、左右を使うことよってより直線のタックルが生きてくる」
タックル×ステップの豊富なバリエーションでで金メダルを目指します。
また、攻撃のバリエーションの多さの他に、『冷静な試合運び』という特徴も。
オリンピック出場がかかった試合では開始直後から攻められ0-5の状況。普通なら焦る場面でも冷静に技を重ね17-7で見事な逆転勝利を収めました。
この心の強さ、冷静さも彼女の強さを支えているんです。
元霊長類最強吉の田沙保里さん解説
6年無敗、199連勝を誇った元霊長類最強の吉田沙保里さんが7月26日放送のZIP!で藤波選手の強みを解説してくださいました。
吉田「藤波選手は手足が長く、私も得意としていたタックルはいろんなバリエーションのタックルを持っているので、相手はタックルが入ってくる瞬間がわからない、わかっていても切れないという状況になります。とにかく強いです。あと非常にスピードもあり片足タックルも得意。藤波選手にとっては初めてのオリンピックなので、どういう戦いをしてくれるか注目しています」
とのことです。あの吉田さんが「とにかく強い」と太鼓判を押す藤波選手には期待できそうです。
父・俊一さんと二人三脚で金メダルへ
地元三重で行われたパリ五輪の壮行会、藤波選手は両親のいる会場でこう語りました。
「私のレスリング人生はよく連勝記録を言ってもらうことが多くて、順風満帆に見えるかもしれないですけど、実際のところは決して順風満帆ではありませんでした」
そうなんです。ここまでの道のりにはいくつもの試練がありました。
中でも一番の試練が、オリンピックを5ヶ月後に控えた今年の3月、練習中に左肘を脱臼したことです。
この脱臼によって損傷した肘の靱帯を完全に治すために、悩んだ末に手術を決断しました。
しかし、頭の中では「オリンピックどうしよう」といった不安と動揺が覆っていたそうです。
それを支えてくれたのが、父・俊一さん。4歳でレスリングを始めてからずっと傍で指導してきました。
かつては俊一さんもオリンピックを目指し、1988年ソウル五輪の最終選考に残りましたが出場は叶わず、娘である藤波さんにその夢を託します。
父の指導について藤波選手は「まず攻めのレスリングは小さい頃から教えてもらって、今も自分から攻めて勝つというレスリングを意識しています」と言います。
父の教えのもと、小さい頃から目指したオリンピックの金メダルですが、その夢は自分だけのものではありません。
藤波選手「父の夢は自分の夢でもあるし、自分の夢が家族の夢でもあると思う」
父「私の夢は娘の夢でもあると思いますし、娘の夢は私の夢だと思ってます」
娘を全力で応援することを決意した俊一さんは、3年前にコーチ業に専念するため、32年間勤めた高校教師を早期退職し、日本体育大学のコーチに就任。
収入は半分となりましたが、娘と夢を追いかけることを選択したのです。
父「全て犠牲にして同じ夢に向かって、その高みを見てみたいなと思います」
藤波選手は三重の実家に母を残し、東京にある日本体育大学に進学。父と娘の二人暮らしを始めました。
父「もめたりすることもありましたね。当たられたり」
藤波選手「ちょっとしたことで言われると『顔に出ちゃってる。反抗してる』と言われるけど、そう言われるのも嫌で反抗してます」
私生活でぶつかることもありながら、2人3脚で勝ち取ったパリオリンピックへの切符。
今年3月に藤波選手が肘を痛め手術したときにはLINEでこんなやりとりをしていました。
娘「必ず強くなって復帰します」
父「これを乗り切って一回り強くなりましょう。3月で良かった」
娘「がんばる」
手術後のリハビリでは上半身が動かせない分、下半身を強化。そして今月の練習では完全復活を遂げました。
藤波選手にとって両親は「本当に自分にとって2人の存在はなくてはならない存在で、オリンピックという舞台は自分が活躍することで最高の恩返しになると思う」と言います。
父娘の2人3脚を支える母。3人の絆で金メダルを獲得できると信じています。
金メダルを争う超強力なライバル
パリ五輪の女子レスリング53キロ級で金メダルが最も有力視されている藤波選手ですが、超協力なライバルも存在します。
それがエクアドル代表のジェペス グスマン選手、23歳。
2023年9月の世界選手権準々決勝で対戦した際、藤波選手から唯一得点をとった選手がグスマン選手なんです。
藤波選手より国際大会の経験が豊富で、現在世界ランク1位という強敵にどういった戦いを挑むのでしょうか。楽しみです。
女子レスリング女子53キロ級 試合日程
8月7日 1回戦〜2回戦 午後6時から
8月8日 午前1時55分〜準決勝
8月9日 午前4時15分〜決勝
組み合わせ抽選は試合の前日。そこで相手が決まります。
ちなみに、藤波選手とグスマン選手はトーナメントの山が違うので、決勝まではグスマンと当たることはありません。
藤波朱理選手プロフィール
名前:藤波朱理(ふじなみ あかり)
年齢:20歳(2024年7月現在)
生年月日:2003年11月11日
身長:164cm
体重:53kg
種目:女子レスリング
階級:53キロ級
趣味:おいしいものを食べる
特技:早起き
兄は2017年の世界選手権フリースタイル74kg級銅メダリストで総合格闘家の藤波勇飛さんです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
藤波選手の苦労や親子で目指して来た金メダル。我々が簡単に期待するのもおこがましいですが、応援が少しでも彼女の力になるよう、日本から声援を送りたいと思います。
藤波朱理選手、がんばれ!