今この記事を読んでいる方というのは、きっと自身の親御さんや祖父母に認知症の疑いを抱いているのではないでしょうか。そして不安になっていることと思います。
お金がかかるのではないか。徘徊などの危険な行動をするのではないか。介護の心理的負担や肉体的負担はどれくらい大きいのか等々。
あらゆる不安にパニックになり、心が押しつぶされそうになっているのではないでしょうか。
そんな方々の気持ちを少しでも穏やかにできるよう、このブログを通じて私の経験や認知症の親を持つ友人のエピソードを通じて、みなさんに情報を共有したいと思います。
また、親や祖父母がこの先認知症になったときのことを見据えてどんな準備や心構えが必要なのか、お話していければと思います。
そしてまず最初に、認知症とはどんな病気なのかを知ってください。
認知症とはこんな病気
認知症とは、脳の機能が徐々に低下することによって、思考、判断、記憶、言語能力など、日常生活に必要な機能が低下する病気の総称。
認知症は人生の晩年に発症することが多く、高齢者によく見られますが、若年性認知症と呼ばれる40歳代から50歳代で発症するケースもあるのです。
原因
認知症の原因は多岐にわたりますが、アルツハイマー病、脳血管障害、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などが代表的な原因とされています。
その中でもアルツハイマー病は、全体の約60-70%の認知症の原因とされ、脳内の神経細胞が破壊されることによって起こると考えられています。
脳血管障害による認知症は、脳内の血管が詰まることによって脳梗塞が起こることが原因とされています。
レビー小体型認知症は、脳内の神経細胞に異常なタンパク質がたまることが原因で、前頭側頭型認知症は、脳内の神経細胞が死滅することによって起こるとされています。
初期症状
認知症は、徐々に進行するため、初期症状は軽度なものから始まります。
認知症の初期症状の例として、以下のようなものがあります。
- 物忘れや記憶力の低下
日常生活での短期的な記憶障害や、物事を覚えていられないことが起こることがあります。 - 言葉の出しにくさ
単語を思い出せなかったり、文章を組み立てるのが難しくなったりすることがあります。 - 集中力の低下
自分がしていることに集中できなかったり、集中しても続かないことがあります。
また本来は短時間でできることでも時間がかかったり、やり方を忘れてしまうことがあります。 - 物事の順序や組み立ての難しさ
日常生活で普段していることでも効率が悪くなったり、物事を正確に判断して行動することが難しくなることがあります。 - 方向感覚の低下
新しい場所に行ったり、迷った場合に方向感覚を失ったり、新しい環境に適応することが難しくなることがあります。 - 意思決定力の低下
何か行動する際に判断力が低下して、正しい判断ができなくなることがあります。
これらの初期症状は、本人や家族が気づきにくいことが多く、認知症の疑いがある場合は、専門家に相談することが大切です。早期発見・治療が、認知症の進行を遅らせるためにも非常に重要です。
少しでも違和感があれば認知症を疑うべき
高齢の親と接していて何か様子がおかしい、話の辻褄が合わない、その場にいないものを見たと言い出すなど、少しでも違和感を感じるようなことがあれば認知症を疑ったほうがいいでしょう。
長年自分を育ててくれた親が認知症になるということは、なかなか受け入れらるものではありません。
だからこそ、こういった親に対する違和感を感じても、自分の中で見て見ぬふりをしてしまう人が多くいるのが現実です。
感じた違和感をなかったことにするほうが楽かもしれませんが、治療が遅れれば親御さんの認知症はどんどん進行していきます。
幸せな時間を少しでも伸ばし、苦しい時間を少しでも短くするためにも、早めの治療で認知症の進行を遅らせる処置が必要なのです。
治療法
認知症の治療法は、原因疾患を治療することが最も重要です。
また、認知症の進行を遅らせるために、適度な運動や認知トレーニング、社交活動などのアクティビティが推奨されています。
薬物療法もありますが効果には個人差があり、完治する方法はまだありませんが、以下のような治療法があります。
- 薬物療法
認知症の主な原因であるアセチルコリン不足を補う薬や、神経細胞の損傷を抑える薬などがあります。
ただし、薬物療法はあくまで症状を緩和するためのものであり、完全な治療効果を期待することはできません。 - 非薬物療法
認知症患者の生活リズムを整える、音楽療法やアロマテラピーなどの嗜好品を取り入れる等の認知症に特化した訓練を行う方法があります。
これらの療法は、患者の生活の質を向上させることができます。 - 支援的治療
家族や介護スタッフによる、食事や排泄などの日常生活のサポートや、患者が安全に生活できるように環境を整えることが含まれます。
また、認知症患者にはストレスが大きな負担となるため、環境整備の一環として、コミュニケーションを含めたサポートを行うことも重要です。 - 予防
認知症になるリスクを低減するために、適度な運動やバランスの良い食事、社交的な活動を行うことが効果的です。
また、脳トレなど認知症予防に有効な手段もあります。
完治できる治療法は確立されていない
現在のところ、認知症を完治する治療法は存在しません。
しかし、認知症の進行を遅らせたり、症状を緩和するための薬物療法や、認知症に特化した介護、リハビリテーションなどの支援が行われています。
治療法の選択は、患者の病状や進行状況によって異なり、治療にあたっては専門家と十分話し合って決定していくことになります。
また、早期発見・早期治療が重要であり、症状が現れた場合にはすぐに専門家に相談することが大切です。
親が認知症かも?と感じたら最初にすること
最初から専門医がどこの病院にいるのか調べたり、大きな病院で検査してもらおうと探すのではなく、まずはかかりつけ医に相談するのがいいでしょう。
物忘れや記憶力の低下や、言葉が出にくくなったなどの認知症が疑われるケースでも、実は脳に違う病気を抱えていることがあります。
かかりつけ医の診断で認知症の疑いが強い場合、脳の検査など紹介状を書いてもらってください。
かかりつけ医に診断してもらう
最初から専門医がどこの病院にいるのか調べたり、大きな病院で検査してもらおうと探すのではなく、まずはかかりつけ医に相談するのがいいでしょう。
物忘れや記憶力の低下や、言葉が出にくくなったなどの認知症が疑われるケースでも、実は脳に違う病気を抱えていることがあります。
かかりつけ医の診断で認知症の疑いが強い場合、脳の検査など紹介状を書いてもらってください。
地域包括支援センターへ電話相談する
親の認知症を疑った時点で地域包括支援センターに相談してください。
地域包括支援センターは保健医療・介護に関する相談を受けてくれます。
また認知症に詳しい認知症疾患医療センターや認知症初期支援チームなどの関係機関と連携し、適切な保健福祉サービス又は制度の利用への支援を行ってくれます。
地域包括支援センターは全ての市区町村に設置されておりますが、市町村ごとに名称が異なる場合があります。
お住まいの市町村高齢者福祉担当課などにお問い合わせください。
落ち着くことが大事
家族が認知症になった人の話などを聞くと驚くような話がたくさんあって不安になりますよね。
もしも自分の親が認知症になったら…と、いろいろと考えてしまって夜も眠れません。
そんな漠然とした不安が現実として目の前に起こったら、誰だってパニックになり、絶望を感じたり受け入れることができないのではないでしょうか。
でも、そんな時こそ落ち着いて支援につながるよう医師や地域包括センターに相談をすることが大事です。
具体的に受けられる支援や対策などがわかると気持ちも落ち着いてきます。
決して一人でなんとかしようと抱え込まず、同居家族や離れて暮らしている家族全員で問題を話し合い、先のことを考えていきましょう。
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